
そけいヘルニア

そけいヘルニアの手術について
手術のタイミングは
そけいヘルニアは嵌頓(かんとん)にならなければ命にかかわることはないので一生そのままにしておくこともできます。しかし、大人のそけいヘルニアは自然に治ることは無く、少しずつ大きくなり、出ている時間も長くなります。治療法は手術しかないので、大きくなってから手術するより小さなうちに手術した方が体の負担は少なくて済みます。
また、嵌頓になってしまうと当院では手術は行えず、緊急手術が必要になってしまい、入院での治療になってしまいます。
そのため、そけいヘルニアはできるだけ早めに手術をするほうが体の負担も、入院などによる生活の制限も少なくて済みます。
新宿外科クリニックの手術はそけい部小切開手術と内視鏡手術を行っています。
いずれも、手術時間は平均で30分から1時間程度です。どちらの方法も当院では日帰り手術で行っています。
(1)そけい部小切開手術
当院で2007年開院以来行ってきた術式で、そけい部を直接切開し、筋肉のゆるい部分にメッシュ(ポリプロピレンのネット状のシート)を当ててふさぐ手術方法です。
当院では、手術後の痛みを少なくするためにできるだけ皮膚の切開幅を小さくしています。そのため、2.5×6cmのガーゼがついた防水フィルムのテープに収まる程度の小さな切開で手術を行っています。
(2)内視鏡手術(TEP法)
おへそを小さく皮膚切開し、内視鏡と呼ばれるカメラを入れて、そこから筋肉のゆるい部分にメッシュを当ててふさぐ手術です。そけい部小切開手術に比べてさらに切開を小さくすることができます。
そけいヘルニアの内視鏡手術には、おなかの中(腹腔内)で操作する腹腔鏡手術の腹腔内到達法(TAPP法)とおなかの中には入らない腹膜外到達法(TEP法)があります。
TAPP法は、筋肉のゆるい部分を直接見ることができたり、細い鉗子(手術器具)で行えたりという利点があります。しかし、通常そけいヘルニアの手術では触れなくても良いおなかの中に入るため、深い全身麻酔を必要として、体の負担は大きくなるので、当院では行っていません。
当院で行っているのは、TEP法で、おへその切開1か所だけで行う単孔式(SILS-TEP)と呼ばれる方法です。TEP法はおなかの中に入らないので、TAPP法より浅い麻酔で行うことができます。
内視鏡手術は、そけい部小切開手術(約3~5cm)に比べ、さらに小さな切開(約2cm)で手術することができるので、より手術後の痛みが少なくなります。また、そけい部切開手術に比べて、まれに手術後に起きるそけい部の違和感、しびれた感じ、慢性疼痛も減少します。
内視鏡手術はこれまで深い麻酔で行う入院手術で行われてきました。当院では、開院以来おこなってきた日帰り手術の麻酔を応用し、さらに内視鏡手術の経験豊富な外科医を招聘することで、そけいヘルニアの内視鏡手術を安全に日帰りで行えるようにしました。
そけいヘルニアの日帰り手術が可能か、切開手術と内視鏡手術どちらが可能かについては直接診察して判断します。
再発について
手術をしたところから再び腸が出てしまうことが約1%の確率で起きます。その場合は再び、出っ張った部分にメッシュをあてるため手術を行います。
また、再発とは異なりますが、両側の鼠径ヘルニアが片側ずつ発症することがあります。
例えば初診でいらしたときには片側だけ鼠径ヘルニアがあり、手術後しばらくしたら反対側も鼠径ヘルニアになった、というような場合です。割合としては片側のみの鼠径ヘルニアの症例の方が多いですが、両側鼠径ヘルニアになる方も少なくありません。

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