鼠径ヘルニア
腹腔鏡手術(TEP法)
腹腔鏡手術はこれまで深い全身麻酔で行うのが当たり前だったので、病院での入院手術で行われてきました。当院では、開院以来行ってきた日帰り手術の麻酔を応用し、さらに腹腔鏡手術の経験豊富な外科医を招聘することで、鼠径ヘルニアの腹腔鏡手術を安全に日帰りで行えるようにしました。
当院での鼠径ヘルニアの手術は全例高島理事長が担当します。腹腔鏡手術では、高島理事長とは大学時代からの旧知である九段坂病院外科部長の長濱医師とともに手術を行っています。
鼠径ヘルニアの腹腔鏡手術とは
おへそを小さく皮膚切開し、そこから腹腔鏡と呼ばれる細いカメラ、鉗子と呼ばれる細い器械を身体の中に入れて手術を行います。
筋膜の穴をメッシュでふさぐのは鼠径部小切開法と同じで、鼠径部小切開法に比べてさらに切開を小さくすることができます。
鼠径ヘルニアの腹腔鏡手術には、おなかの中(腹腔内)で操作する経腹的腹膜外修復法(TAPP法)とおなかの中には入らない完全腹膜外修復法(TEP法)があります。おなかの手術で使用する内視鏡を腹腔鏡といいます。
TAPP法もTEP法も腹腔鏡手術のひとつで、一般的に鼠径ヘルニアの腹腔鏡手術というとTAPP法を指すことが多いです。
当院のTEP法の強み
TAPP法は、鼠径ヘルニアの穴の部分を腹腔内から見ることができるという術者目線の利点があります。しかし、腹腔内に入って手術を行うので内臓の動きを制限するような深い全身麻酔を必要とします。また、カメラの死角で手術中に内臓を傷つけてしまうというリスクも0ではありません。
一方でTEP法は腹膜内に入ることはありませんので、内臓を傷つけるリスクはほとんどなく、浅い全身麻酔で手術を行うことができます。
どちらも優れた術式であり、熟練した医師が行えばほとんどの場合問題なく手術を行えるものですが、症例によって向き不向きもありますので、医師の説明を受けた上で納得のできる方法を選択していただくのがよろしいかと思います。
当院では、手術における術後回復のスピードは手術創の小ささと負担の少ない麻酔方法によるところが大きいと考え、現在のTEP法のやり方に辿り着きました。 (当院の麻酔方法についてはこちらをご覧ください)
当院で行うTEP法はおへその切開1ヶ所だけで行う単孔式(SILS-TEP)と呼ばれる方法です。手術では、おへその下に1箇所小さな切開(約1〜2cm)をします。小さな創で手術することができるので、鼠径部小切開法と比較しより手術後の痛みが少なくなります。
痛みが無いわけではありませんので術後のお休みは必要ですが、「少しでも痛みを少なくしたい」「日常生活への復帰を早めたい」という方には腹腔鏡手術をおすすめすることもあります。
また、鼠径ヘルニアの手術後は術後合併症として鼠径部の腫れ、違和感やしびれ等が1~2週間出ることが多いですが、腹腔鏡手術の場合は比較的それらの訴えは少ないです。
腹腔鏡手術の創(きず)について
腹腔鏡手術では、おへその下部分に1〜2cm程度小さく切開します。術後はおへその窪みに馴染んでいきますので、傷は目立ちにくいです。
この記事の監修者
医療法人社団オリビエ会
新宿外科クリニック
理事長 高島 格
1960年東京都生まれ。
東京医科歯科大学医学部卒業後、病院の外科で20年勤務し様々な手術を経験。
中でも得意としていた日帰り手術をより多くの人に受けてもらいたいと、2007年東京都新宿区に日帰り手術専門の新宿外科クリニックを開業する。
現在は、新宿外科クリニックと埼玉県さいたま市の大宮セントラルクリニックの2院を運営し、累計手術実績は下肢静脈瘤手術で約11000件以上、鼠径ヘルニアは8600件以上に及ぶ。
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